4.ボート各部の名称
2.ボートの船型
  *船型にはラウンドとチャイン型の二つがありますが、現在は殆どハードチャイン艇です。
  *ボートの性格に大きく影響を及ぼすのがデッドライズという、船底のV角度があります。
       その角度が大きくなると静止安定性が悪くなり、横揺れし易くなりますが、航走中は浸水
       長さが長く走りが安定し、操縦性も
       よくそして耐波性がよ い為、高速艇、
       外洋艇に使用されています。小型艇
       では静止安定性が重要なのであまり
       その角度は大きくなく、10度以下で
       ある。
  *ストライプという細長い板が船艇にあ
   るのをご存知ですか?それは船底の
   水の流れる方向を変え揚力
   を生じ、艇を持ち上げ、浸水表面積を
   減らし、スピートをあげる方法のひとつ
   です、また船首部に取付けられたスト
   ライプは船底衝撃を分散する役割もあ
   ります。
動力の備わっている艇をモーターボートと呼び、小型艇ではその動力源はほとんど船外機です。
1.モーターボートの機能、特性
  *ボートの特性には相反する事があり、たとえばスピードを重視すれば大きなエンジンが必要になり、船価、維持費が高くなる
       という問題も発生する。使用目的、海域などを考慮しボートに何を求めるのかをはっきりさせることが満足できるボーテングに
       通じると思います。
  *速力
   モーターボートであれば第一にそのスピードに興味がいきます。加速性能、最高速力、経済性での巡航速力、などがありま
      すが、いくらボートに速度能力があっても荒れた海域で速力が出せない様では安全面においても安心できません、耐波性能
      も速力を考える上で重要な要素です。小型艇の速力は船外機の選定を参照してください。
  *安全性
   海上で事故があった場合、陸上とは異なり、すぐには助けがきません、また自力で対応しなければならない事もあります。
      安全備品の携行も大切ですが、ボートの安全性を認知しておく事も大切です。ボートは縦方向で転覆することはありません、
      横方向に傾斜して、もとの状態にもどらない場合を転覆といい、その傾斜角度はおおむね艇の横断面で判断でき、正式には
      復原力を計算します。
   a.和船タイプのデッキの無い艇が一番傾斜角度は小さい、横波での海水浸入が一番危険です、その海水は艇の傾斜方向
         に移動し(自由水と呼ぶ)、復原力を減少させる働きがあります。艇を波に立て、侵入した海水を排水する
         ことが重要です。またエアータンクなどの浮力体を備えることも安全対策のひとつです。
   b.デッキ位置の高い密閉された艇では艇
         が60-70度傾いても元に戻ろうとする
         力が働きます。
   c.安全性にはこの他に横安定性、動揺性
         などの要素があります。
BDB-21
  *快適性
   ボートに乗っていて一番不快に感じるのは波などの船底衝撃による加速度的な縦揺れ、振動です。衝撃はボートの速力の二
      乗で大きくなります、船型によりある程度改善はされますが、小型艇では限界があります。ボートは船尾付近を中心として運
      動しますので後ろに行けば衝撃は少なくなります。又釣りなどで停船中の動揺は、艇の幅と船底のV角度が影響します、ビル
      ジキール、フルスケグの取付は動揺の減衰効果があります。
3.ボートのスピード
  *ボートのスピードは自動車などと違い水の抵抗との戦いです、陸上を走る場合と水泳での身体に受ける抵抗でもわかるよう
       に、いかにそれに勝つかがスピードアップにつながります。
  *ボートはその速力で速さを決るのでなく艇の長さとの比較、速長比(V/√L)と呼ばれる係数により決めています。体感速度
       も艇の長さにより変わります。 全長4mと10mの艇で比較してみると
                                    4m艇               10m艇                状態
          低速艇    速長比3.5以下       7.0ノット以下       11.1ノット以下            非滑走状態
          中速艇    速長比5.0以下      10.0ノット以下       15.8ノット以下         低半滑走状態
          中高速艇 速長比9.0以下       18.0ノット以下         28.5ノット以下            高半滑走状態
          高速艇    速長比9.0以上      18.0ノット以上         28.5ノット以上         完全滑走状態
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