引き波によるボートスピードの見分け方;
低速:引き波がボートのトランサム面から離れず渦を作り(g)のようになっている状
態で非滑走と言う。この時の速力はおよそ4−6kt。
中速:引き波がボートのトランサム面から離れ山のような引き波も速力が増すにつ
れて後方に移動 し小さくなっていく(h)。このような状態を半滑走と言い、ボートも
安定して走り始めます。この時の速力はおよそ5−10kt。
高速:引き波がボートのトランサム面から完全に離れその波の盛上
りもほとんどなくなってくる(i)。 このような状態を滑走と言いう。この
時の速力はおよそ9kt以上である。
荒天走行;
荒天時には波と直角に近い角度で大きな横波を受けないように海面の遠方を見て波
を予測しましょう。一番の問題はボートのスピードを落とすことです。速力が低いと波
の影響を直接受け(f)場合によっては横転する事もあります。ある程度のスピード(g)
が出ていれば、揚力によりボートは持上って波の影響を受けずらく、またその揚力が
ボートの動揺を抑えてくれます。
オーバートリム;
走行直後(e)図のように船首が異常に持上った経験はありませんか、これは
大きな馬力の船外機を取付、船尾に荷物が多い場合ボートの重心位置が後方
になり、揚力位置との関係で発生します。荷物の移動、操船位置の移動の為
のイクステンション(延長)チラーで改善することができます。(b) (c)図でも解る
ように船底の揚力位置は移動します。それに合せて操船者も走行直後はその
体重を前方に、そしてスピードが上がるにしたがって後方に移動するとスムー
ズな加速を得られるでしょう。
ボートの走行姿勢の修正;
ボートの走行姿勢はそのスピード、加速性に大きく影響します、他艇と
比べ不満のある方はいちど調整してみてはいかがですか。調整は船
外機のチルト装置で船外機を回転させプロペラからの推力の方向(角
度)を変える事によりボートの姿勢を修正します。基本はキールライン
とプロペラの中心線が平行であること。船首を下げるには船外機を赤
方向に回転させ、上げたい時はその逆方向です。個々のボートにより
特性が違うので、具体的な事は言えませんが、走航トリム角度は3−5度が一般的です
CQ51
*ボートを操船するにはルールがあります、免許の不要なボートに乗っている人もそれらを守りましょう。
*このような小さなボートは重量の増加に対して敏感に反応し、スピード、安定性の低下を招きます、余分な荷物は出来るだけ
積込まないことが安全で快適なボーテングができます。
ボートの走り方;
ボートは停止時(a)からプロペラを廻し推進力を得て、飛行機と同様に船底に揚力が働き船首が持上ってきます。(b)プロペラの
回転数を上げると推力は増し、揚力も大きくなりボート全体を持ち上げ、水面と接する面積も減り抵抗も少なくなりより高速で走行
することも可能となり(C)、これを滑走状態と呼んでいます。揚力の中心(ボートを下から支えている)も後方に移動し、船首もしだい
に下がってきます。
CQ51