グラスファイバーは溶融ガラスから製造される繊維でFRPには長繊維が使われる。その一本の太さは
10-18μでフィラメントと呼ばれそれらを集めたものがストランド(糸)である。それを短く切断し製造し
た不織物がチョツブストランジマット、スドランドに撚りをしたヤーン(織り糸)を布状にしたのがガラカク
ロスで、ストランドを束ね太くしたのがロービングでその布状はロービングクロスである。 グラスファイ
バーは他繊維と比べると強度、価格面において長所があるので複合材料の強化材として広く使われ
ている。
BDB-142
2.グラスファイバーの強度特性
金属の場合はどの方向でもその強度は同じであるがグラスファイバークロスの場合は斜め45度方
向の強度が低くなっている、合板も同じである。チョップストランドマットはほぼ同一である、そして木
材は横方向に比べ縦強度が高いこのような強度を指向性強度と呼ぶ。ボートのように細長い製品は
縦強度が重要である、特殊なロービングクロスを使い縦強度の高いボートを作る事もできる。
4.グラスファイバー一覧表(記号−重量 g/m2 )
a.チョップストランドマット b.ロービングクロス c.グラスクロス d.ガラステープ
230CSM 230 320WR 320
200CL 200 270CLx50
300CSM 300 580WR 580 270CL 270 270CLx75
450CSM 450 810WR 810 320CL 320
270CLx100
600CSM 600
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1.グラスファイバーの種類、特性並びに用途
a.チョップストランドマット
約50mmに切断したチョップストランドを
ランダム方向に均一に分散させ、バイン
ダーでマット状に成形したものである。厚
みを出すことが出来FPR単板の弱点であ
る撓みを改善する。成形時にコーナーなど
でストランドが引張られ複雑な形状箇所で
は均一な厚みを出すことは難しい。比較的
安価である。
b.グラスクロス
ヤーンを織った薄手の織物で、目抜平織、朱子織、綾織が柔軟性がありボートのような型物にはなじみがよい。FRP
構造の基材としては用いらない、ライニング用として木材をコーテングする。
c.ロービングクロス
ロービングを織った厚手の織物である。強度が高く、FRP大型構造基材としても用いられる。成形作業において均一な
厚みが確保できる。ロービングクロスの重ね積層はグラス同士の接着面が少なくなり、層間剥離し易いので間にマット
を挿入して積層する。