JAS合板の強度アップ
JAS合板の欠点を補い、マリン合板の品質に近ずけるには
1.表裏板の薄さによる強度低下を良質の塗料(2液性ウレタンなど)エポキシ樹脂のコーテング並びにガラス繊維のオーバーレイにより補う。
    詳細は図面を参照して下さい。
2.合板素材の腐りによる耐久性向上合板の腐り、剥がれは木口から水分の浸入が原因です、カット後、合板の木口に木材用プライマー又
    は低粘性エポキシ樹脂をしみ込ませ水分の浸入を少なくします。            
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JAS合板のボートへの使分け
ボート部材でも使われる箇所により掛かる荷重は違いその重要度も異なってきます。
1.サイド外板は曲げて使いますから空洞の無い合板を選んで下さい、どうしても空洞のある場合は
    ボートの中央部を避けて下さい。
2.ボトム外板は船底水圧、乗員の局部荷重などで曲げ強度が掛かりボートで一番重要な部材です
    がFRPで両面補強していますので、空洞(合板心材の隙間)の少ないものを空洞がボートの後部
    になるようお使い下さい。できれば合板カット後、注射器でトンネル内部に低粘性エポキシ樹脂を
    注入することをお勧めします。
3.デッキ、シートなど
4.バルクヘッド、フレームなどの荷重は引張、圧縮がほとんどですので合板にトンネルがあってもそ
    う問題がないでしょう、又見えずらい箇所ですので、購入合板で外観が品質の良くないものを使う
    ことが出来ます。
JAS合板の注文、購入 
1.JAS 1類合板を総称して「タイプ T」と呼ばれていますがこれは耐水合板でその中にも1/2等と素材、欠陥の
    程度により分かれています。ボートに使用できるのは1類 1等です、正確に注文し合板の裏に印刷されている
    グレードを確認してください。
2.JASは最低基準を示しています、同じ基準でも自然の木材を加工している合板はメーカー、ロッドによりその品
    質には大きな違いがありますから良いものを選んで下さい。最近よく見掛るマレーシア産の合板は国産品に比
    べ一般的に品質が劣っています。
  a.ラワン合板の場合、表裏板が赤みの濃いものを選びます、原木の芯材部で腐りにくい部分です。
  b.板面の品質は B-B以上が良いでしょう。
  c.芯部板の継目が離れトンネル状になっている場合があります。(右図) 基準は3mm以下ですが1mm以下の
       場合余り問題が生じないが、2-3mmの隙間の合板は出来るだけ避けてください、またその位置は合板の中央
       より端部にあるほうが使い勝手がよい。
マリン合板とJAS合板の違い
1.接着剤の違い−−JAS1類合板はメラミン樹脂等が使われ、マリン合板はフェノール樹脂が使
    われ、素材により接着剤中に防腐材を混合して作られているので同じ耐水合板でも耐久性が違
    います。JAS合板でも構造用(特類)には使われる事があり、積層間が黒赤く見え、その違いが
    解ります。
2.積層の違い−−右図は各合板の代表的積層状態です。JAS合板は表裏板厚が薄く、曲げ強度
    が劣ります、特にt5.5の場合心材が厚く、そこに大きな欠陥があった場合その強度の低下大きく
    なります。t9以上の場合は双方とも5層構造なので強度はマリン合板に比べ強度はあまり低下し
    ません。
3.素材、製造上の欠陥−−マリン合板のほうがその基準は高くなっています。
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