ボート合板の仕入先
*マリン合板
  一部の国内ボートメーカーでは構造用としてマリンとほぼ同じ強度、耐久性のある合板が作られていますが、一般市場には
    出ていません、レースボート用としてマホガニー、オクメのマリン合板が輸入されていますが、需要は少なく、またボート工房
    でも少量の在庫を持っているところがありますがその種類、量などは少ないでしょう。輸入しても20ftコンテナー一台以上の
    需要がなければ納得できる価格にはならないと思います。
*JAS合板
  上記品質の合板を材木店より建材店のほうが仕入れ先も多く知識量も豊富でそこで相談して探す、またはインターネットを利
    用して下さい。
    :JAS合板で市場流通性があり、小型ボートに使用できるのは1類1等です。しかしt5.5の場合、約0.7+4.1+0.7=5.5の
    積層構成となっており表裏皮が薄く、曲げに対するパネル強度が低い為、ボートのボトムパネルでは両面、サイドパネルでは    外面をガラスクロスをエポキシ樹脂でオーバーレイし補強する事が重要です。
    一般建材店でのJAS1類1等合板の価格   2010年調べ
                          板厚            3x6            4x8
                          t4.0                   ¥720          ¥2200
                          t5.5          ¥930          ¥2800
                          t9.0         ¥1550           ¥3800             
ラワン合板の色
BDB-141-02
*表中の数値は代表的なものでメーカーにより異なります。
*マリン合板のメーカーとしては、「ブロンジール社」(オランダ)と「シェルマン社」(ギリシャ)がトップ
   クラスでこれらのスタンプが押してあれば安心して使えます。
*マホガニー合板は突板(化粧)の場合が多いので注意して下さい。
ボート用合板一覧表
抜け節
大きな空洞がある合板の曲げ
空洞が少ない合板の曲げ
割れ
空洞
合板の選び方
  *表裏面材に節、割れ、虫くいなどが少なく肌目がきれいである事。特に裏面は 要チェック。
  *表裏単板の厚みは1.0mm以上ある事。
  *同じラワン合板でも、その色が赤みがあるのは木の芯材を使っているので重量は増し
    ますが、強度があり、腐りにくい合板です。
  *割れ、単板継時の空洞(トンネル)が少ない事。
JASマークの見方
 合板の裏面には類、等、級などでその品質が表示されています。
  *類は合板に使われている接着材の耐水強度を示しています。
    特類:フェノール樹脂接着剤等が使用され合板の接着部が黒赤くなってします、
       屋外又は常時湿潤となる場所において使用することを主な目的とした合板です。
       構造用合板が多く、板厚9mm以上でそれ以下はあまり流通していません。
    1類:メラミン樹脂接着剤等が使用され合板で断続的に湿潤状態となる場所において
            使用することを主な目的としています。
    2類:ユリア樹脂接着剤等が使用され合板で時々湿潤状態となる場所において使用す
            ることを目的と しています。
  *等又はアルファベットは表面及び裏面の見た目の品質でそれそれ1等、2等そしてA B
    C Dがあります。
  *級は主に構造用合板に使われその強度を区分して、1級、2級があります。
    ボートの種類により異なりますが、使用できる合板は特類/1類、1等、A B、1級です。
    同じJAS規格品であっても使っている素材、積層など品質のバラツキがかなりあります。
    建材店を数軒廻り、材料を比較をして下さい。
合板を入手したら上記の方法で再度チェックしましょう。Aは曲げ強度に影響を及ばす連続し
た空洞(トンネル)、及び重大な欠陥がある、Bは外観欠陥が見られる合板に分ける。Aの合板は外板には使用せずフレーム、
座面などのボート内部の平面部に使って下さい。どうしても使わなければならない場合は、パネルの曲率が少ない箇所、ボート
の前後方向で中央部は曲げ応力が大きくなるので欠陥部はボートの前後端になるようにパーツを合板にレイアウトしましょう。B
の合板は外観上の問題なので見えなくなる、見ずらくなる場所に配置すれば外観の美しいボートが出来るでしょう。強度上不安
が残る場合は重量が増しますがFRPでカバーする事もできます。
合板の種類、規格
合板の種類、品質は、単板(ベニヤ)、その積層方法、耐水性で決まります。
01.単板の素材として国内ではラワンが一般的だが東南アジアの自然環境保護の為、針葉樹も増えつつあります。海外のボート
      用ではオクメ(ガブーン)、メランチが一般的で他にマホガニー、サペリ、キャヤなどもあります。 表裏単板の厚みは1.5mm
      程度、最低でも1mm以上である事。自然の素材なので、節、割れ、虫食いなどの 欠陥があります。それらの処理も見極める
      必要があります。耐朽性の低い素材では、十分な防腐、防虫処理が必要です。
02.積層枚数は奇数、同等厚で多いほうがよく、4mm厚までが3層、5−9mm厚までが5層が標準的です。単板の繊維方向は
      突合わせ継なのでその隙間が少ない事。 合板の寸法(幅x高さ)は国内では910mmx1820m mが一般的ですが、マ リ
      ン合板は1220mmx2440mmが主です。
03.耐水性はその接着剤、防腐処理の種類で決まります。フェノール樹脂などのWBP、
      JAS1類以上の耐水性 合板を使って下さい。
      合板の規格にはブリテッシュ・スタンダード(英国標準、BSXXXX)、ロイド規格(船級
      協会)、イクステリア・スタンダード(US外装建築用基準)、日本農林規格(JAS)等が
      あります。
合板の欠陥
合板とは薄い単板(ベニア)を繊維方向を直交させ奇数枚を接着させたものを言います。単板を積層することで、湿度による膨張・
収縮など木の持つ欠点や繊維の方向性による強度の異方性を解消し、素材では得られない広い面積を持つ薄板材料である。
合板は、加工性(鋸断)がよく、特殊な工具、道具もいらず自作小型ボートの主要材料として最適である。しかし需要が少ないのか
、国内合板メーカーは一般向けにボート合板の製造はしていません。ボートメーカー仕様でボート合板と呼ばれる構造用合板が作
られているぐらいです。テンダー程度の大きさであれば、国産品を使っても問題はないのですが、時間を掛けてボートを製作するの
ですから価格は高くなりますが、強度、耐朽性、作業性、仕上がりの優れた輸入マリン合板の使用をお薦めします。
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