BDB-141-01
木材の性質、特徴
01.ヒノキ(ヒノキ科)
      国産材、辺心材の境目は不明瞭、辺材は淡い黄白色、心材は淡い黄褐色から淡い赤色。木理は通直、独特な香気と光沢
      わ持っている。弾力性、靭性に富み、狂いが少なくやや軽軟なので加工性もよい。高級建築材なのでボート用に は適してい
      るが良材の入手は困難である。
02.ベイヒ(ヒノキ科)ピーオーシダー、ポートオーフォードシダー、ローソンヒノキ
      産地はアメリカ西中部、辺心材の境目はやや不明瞭、辺材で白色から淡い黄白色、心材は黄白色から淡い黄褐色。木理は
      通直。やや軟質で加工性がよく、仕上げ面は美しい。耐朽性は大。
03.ベイヒバ(ヒノキ科)アラスカンシダー、イエローシダー
      産地はアラスカからアメリカ北西部、辺心材の境目は不明瞭、全体に淡い黄色から黄色。木理き通直。やや 軟質な為、加工
      が容易で表面の仕上がり、接着性に優れる。耐朽性は極めて大きく、特に水湿に強い。
04.ベイマツ(マツ科)ダグラスファー、オレゴンパイン、アメリカトガサワラ、ダグラスモミ
      産地はアラスカ南部からアメリカ西海岸。辺材は淡い黄白色から赤色を帯びた白色、心材は黄褐色から赤褐色。木理は通直。
      樹脂成分が多い。強靭だが加工性は比較的よく、狂いも少ないが少し重たいのが難点。耐朽性は中程度。
05.シトカスプルース(マツ科)ベイトウヒ、アラスカヒノキ、コーストスプルース、イエロースプルース
      産地はアラスカ南部からアメリカ北西沿岸。辺心材の境目は不明瞭。全体に白色から淡い黄褐色。木理は通 直。仕上 げ面
      には絹目の美しい光沢が現れる。軽軟材だが強靭で、収縮が少なく、乾燥、加工性も良い。耐朽 性は小。
06.エンゲルマンプルース(マツ科)コロンビア/マウンテンスプルース、シルバー/ホワイトスプルース
      産地はカナダ南部からアメリカ西沿岸。辺心材の境目は不明瞭。全体に白色から黄色を帯びた褐色。木理は通直。軽軟な為
      、乾燥、加工が容易で、曲がりや狂いが少ない上、表面の仕上がりも良好。
07.ホワイトウッド(マツ科)ヨーロピアンホワイトウッド、ヨーロッパスプルース、オウシュウトウヒ、ドイツトウヒ 産地はヨーロッパ、
      ロシアなど。辺心材の境目は不明瞭。全体に白色から黄白色を帯び、木理は通直。やや 軽軟で加工性がよく、乾燥による収
      縮が少ない上、狂いも少ない。耐朽 性は小。北米スブルースの代替材。

08.ケヤキ(ニレ科)ツキ、ツキケヤキ
      国産材。辺心材の境目は明瞭。辺材は淡い黄褐色、心材は黄褐色から赤褐色。一般に木理は通直。重硬で加工性はやや悪
      いが強靭で狂いが少ない。耐朽性は大。
09.ホワイトオーク(ブナ科)スワンプホワイトオーク、オーバーカップオーク
      産地はアメリカ北東部。辺心材の境目はほぼ明瞭。辺材は白色から淡い黄白色、心材は淡い黄褐色から赤褐色。やや重硬
      だが加工性は比較的よく、着色性、塗装性も良好。耐朽性は中から大。
10.レッドラワン(フタバガキ科)
      産地はフィリピン。辺心材の境目は明瞭。辺材は黄白色、心材は金褐色から濃い褐色。木理は交錯。肌目は粗く、大き な気
      孔が見られる。加工は容易だが、乾燥時に狂いが出やすい。耐朽性は中程度。
11.チーク(タマツヅラ科)
      産地はインドネシア、マレーシア、タイなど。辺材は黄白色心材は金褐色から濃い褐色。木理は交錯し肌目も粗い。重硬で強
      靭な為加工性にやや難があるが、収縮が小さく狂いも少ない。耐朽性は極めて大きい。
12.マホガニー(センダン科)
      産地は中南米各地。辺材は白色から淡い黄色、心材は濃い桃褐色から暗い褐色で金色の光沢を持ち時間の経過とともに濃
      色に変化する。。木理はほぼ通直だが肌目はやや粗い。やや重硬だが加工性が良い上、狂いが少なく、耐朽性も大きい。
13.アフリカンマホガニー(センダン科)
      産地は西から中央アフリカ。辺材は淡い黄色、心材は濃い桃褐色から赤褐色で外観はマホガニーに酷似している。木理は通
      直から交錯、肌目はやや粗い。や重硬だが加工性が良く接着性、表面の仕上がりも良好。耐朽性は中程度。
交錯木理
斜走木理
通直木理
柾目
板目
05.木材の傷のチェックポイント
      A.(ふし)は枝の跡でその欠点は繊維が切れる為に 起こる強度の低下、硬
          さによる加工性の悪さがあります。節が大きい場合、又節の廻りが黒ずんだ死節は抜け落ちる恐れがあるのでボート用材
          としては不可。
      B.陽疾(あて)は木材内部応力の違いにより、加工時にその一部の応力が開放され変形をおこします。見分け方は難 しく、
          通直木理であればほとんど生じないと思います。
      C.マツ科には樹脂(松脂)溜まりが見られます。接着性に悪影響があるので不可。
      D.その他の傷として目廻り、入皮、胴打ち、腐れ、空洞、変色、心割れなどがあります。

      完全な木材を入手することは非常に難しいです。ボートの部材によっては短くて済む場合もあり、長尺物の場 合は不良部を
      取除き、スカーフ(斜め継手)により接合し、材料コストと歩留まりの両立を計って下さい。
針葉樹材の選び方
01.木材は心材辺材そして樹皮から成り立っています。心材は辺材に比べ硬質
      で強度があり、狂いが少ない上、虫害もうけにくい。心材は「赤身」、辺材は「白
      太」と呼ばれ 色の濃淡で区別がつきます。爪で材面を傷つければその 硬さの
      比較ができます。ボート重量を あまり気にしない場 合は比較的硬い木材を選び
      ましょう。
02.丸太は製材で板、角材になりますがその切り方により、木 の表情 の「」がで
      ます。原木の接線方向を切った「板目」、それに直角な「柾目」などがあります。
      柾目は板目に比 べ、変形、狂いが少な く、固着性も良好です。
03.木材の繊維や年輪の走り方を木理(木目)といいます。通直木理を選んで下さい、
      特に長尺物で使う場合は重要です。木目が通っていないと、加工した場合、変形
      を起こす恐れがあります。
04.肌目は材面に現れた細胞の大きさ、均一性、配列の粗さなどで粗肌目、精肌目
      に分けられる。精肌目のほうが、 接着性、仕上性がよい。材面を手でこすり、確
      認して下さ い。
辺材
心材
自作者にとってその材料入手、特に木材の種類は多く自然で育つ為、品質のバラツキも多く難しいと思われます。しかし小型ボー
トでは合板を主要強度部材として使えば、木材はその接合の根太として、部分補強材として用いられる事が多いので、一般の建
築材から厳選すれば十分に使うことができます。国産材は流通も少なく、入手が困難で、北米、北洋材が建築用としてDIY店から
かなり入手することができますがその名称はカタカナでまちまちで解りずらいので下記、木材の性質、特徴のグループ別名称を参
照して下さい。
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