4.特徴
*事前にパネルを作成するので合板の歩留まりが良い。
*フレームレス工法なので
・フレーム、縦通材などの良材を入手する必要がない。
・部品点数が少なく軽量なボートが比較的短期間で完成する。
・内面がスッキリし、水が溜まる箇所が少なく、木材の腐食も発生しずらく、耐久性が高い。
・フレーム組立、ベベル取り(角度削り)等の高度な技術を必要としない。
*パネルの接合部に隙間があつても接着、フィレット剤を充填し、強度、水漏れなどの確保するので寸法精度の要求は高くな
い。
*この工法ではフィレットが重要で外力を分散させ、モノコック構造に近い接合部の強度を保っている。
*艇体の重要な箇所(主として船底部)は合板の両面にガラスクロスをコーテングし合板を心材とするサンドイッチ構造として
強度を保っています、JAS合板はマリン合板と比べ表裏単板厚が薄く欠陥が多く安全性に欠けるためそれを補う意味もあ
ります、又FRPの硬質層が摺れなどから合板を保護し、水の侵入を防ぎ、腐敗しにくい耐久性のある構造である。
コーテング用樹脂にはエポキシとポリエステルがあり海外ではエポキシ樹脂が一般的であるが、TMCはボリエステル樹脂
を採用している。
・材料の入手が容易で価格も比較的安価である。
・硬化剤配合量により作業時間(硬化時間)のコントルールが出来確実な完全硬化が期待できる。
*強度部材、接合部、などは化成品が多くその強度が十分かが外見だけでは判断しずらい。
*エポキシ、ポリエステル樹脂など化成品の知識、技量を必要とする。
3.組立工程
*展開されたパネルをカッテング
*パネルをステッチワイヤー、仮釘、インローなどで仮固定し組立、ボートの形状にする。
*形状をチェツク修正し、接合部をエポキシで接着、フィレットする。
*接合部、要強度箇所はポリエステル樹脂でガラスクロステーピング、オーバーレイで補強をする。
2.材料
*木材・合板は一般建築材で入手が容易なものを使います。
・合板はJASラワン合板1類1等の3x6サイズを主に使っています。木材、建材店の在庫品でその中から色が揃い、欠陥
の少ないものを選別します、4x8板とくらべ小さく取り回しが楽である、11ftまでであれば一箇所の継手で、また価格も
平米当たりで比較すると4x8板の約6割である。
・木材は強度部材ではなく接合、根太材などでアカマツ、エゾマツなどの年輪が密な材料を節、あてなどの欠陥の少ないの
を選別します、それを自然乾燥させ小割りにし使います、量販店でもかまいません、外部に使う化粧材は好みの色合い、
質感を使って下さい。
*接着、フィレット材はエポキシ系のコニシボンドEセットM又はLを使います。M Lは粘度の違いでLは低粘度で使い勝手がよ
くフィラーの配合により低粘度接着剤からフィレット剤まで作れます、また主剤:硬化剤の配合比は1:1で使いやすい。
*FRP資材は通販サイトが種類も豊富で小分けも可能で納得できる価格です。
1.自作初心者にとって重要な工作法は費やした時間、費用より思った以上のボートが完成することであり具体的には
*材料の入手が容易である事。
*日曜大工程度の工具を必要とする。
*高度な技術を必要としない。
*部品数が少なく工程が簡単で早く完成する。
*安全で耐久性がある、水密性が確実である。
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BDB2−112
ボート工作法にはその大きさ、形状、用途、量産性から様々な工法がありますが、自作小型艇で初心者でも確実に造れ安全性、
耐久性を味した方法をTMCは選択しています。