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プレスハム(PRESS HAM)
ホンレスハム(BONELESS HAM)
充填、結さく乾燥、薫煙
  肉塊を薫煙室につるし、室温が急上昇しないように(30分で約5度C)注意し、空
  気取入口と排気口を通る空気の量を調整し、室内の空気がゆるやかな一定温度
  で循環するように配慮しながら肉中の水分を蒸発させるよう、30−40度Cで、1
  −2時間乾燥を行います。もしこの乾燥を急激におこなえば肉表面のみ水分乾
  燥が早く、従って、たん白幕を生じ、その為に肉中の蒸発が妨げられ全体の適度
  な乾燥が行われないこととなり、均一した発色、あるいは品質に大きな支障となり
  ます。乾燥程度は、肉表面が鮮紅褐色を呈し、表面が軽く緊張してくるまでとしま
  す。炭火上に薫煙材料としてカシ、サクラ、ナラ、モミなどの樹脂や刺激成分の少
  ない硬木のよく乾燥した材をおいて換気を不十分にさせて、不完全燃焼によって
  生じた煙によって50−60度Cで2−3時間薫煙をおこないます。薫煙により、発
  色をなお一層促進させることのほかに、薫煙成分による防腐効果、風味の向上が
  得られます。
ボイル、冷却
  ボイルは肉の風味を向上させると同時に肉色を固定し製品中の微生物の大部分
  を死滅させ 製品に貯蔵性を与えることが目的であます。肉の柔らかさは失われ、
  弾力のある歯切れのよい食感ににます。
  70−75度Cで約2時間行うのが普通です。標準としては肉の中心温度が63度
  Cで30分以上経過した時点で終了します。
  ボイル終了直後の冷却の必要性は製品の外側周囲を急速に冷却させることによ
  り表面が硬化して内部からの肉汁などの流出を防ぎます。
ボンレスハムは、もも肉の骨を除いて円筒形に巻いたものです。
整形、血絞り、塩浸、水浸
  原料とするもも部は、腰椎1節残して脊線と直角に切断し、足の部分は膝関節の
  部分より切ると前後に長くなり糸を巻くのに便利であると共に形のよいボンレスハ
  ムができきます。そして脂肪層を適度に削ってから、骨付ハムと同様な処理で血
  絞り、塩浸します。
骨抜き、整形
  骨抜きは、腰椎を除いてから骨盤骨を肢間接部で切離してから取除き、大腿骨は
  上下両端からナイフをいれて、トンネル状にえぐりながら抜取ります。ついで脂肪
  層を一定の厚さにそぎ取り、円筒状となるように整形します。
巻締め
  適度の大きさに切断された綿布を作業台上に広げて、整形した肉塊の脂肪面を
  上にして端にのせ、次にももに付着する、下腹部を巻込む要領で円筒形に布を巻
  きます。そして両端を面糸で縛ってから俵を締めるように中央から順次4センチぐ
  ら いの 等間隔で硬く巻締めます。
乾燥、薫煙
  足の方を上にして薫煙室に吊下げます。この場合、足部を下にした場合には肢間
  接部水が溜まり、そこから変質を起こすことがあるので注意しましよう。まず30−
  40度Cで12−24時間乾燥を行い、肉中の水分がある程度蒸発して少し締まっ
  てくるために起こる巻糸の緩みを硬く締直した後、50度C内外にまで温度を上げ
  つつ12−24時間薫煙をおこないます。
水煮、冷却、包装
  薫煙後直ちにボイルします。70−75度Cで4−5時間行うのが普通であり肉の
  熱伝導は非常に悪いので肉の中心部まで完全に熱が達するには長時間均一し
  た温度でボイルすることになりますが標準としては肉の中心温度が63度Cで30
  分以上経過した時点で終了します。
  ボイルする場合あまり温度を上げすぎると、脂肪の融出、肉たん白の保水力低下
  により減耗を生じ、外観が極めて悪くなるので、十分に注意して下さい。ボイル終
  了後は冷水にて放冷後包装します。
  整形後重量に対する製品の歩留まりは80%内外です。
プレスハムは小さな肉塊を互いに密着させて、ボイルドハム様に一つの肉塊から出
来上がっているように作られた、寄せハムです。
原材料
  原料として使われる肉は、すべて結着力のよいことが第一条件となります。一般
  的に新鮮であること、肪含量の少ない程肉の結着力がよい。特に肉処理中に肉
  温が10度C以上になると結着力が著しく低下します。塩漬期間も豚ひき肉の場
  合4 8時間で結着力は最大となり、72時間を経過したものはかえって減少しま
  す。ハム、ベーコン整形時に得られた肉片を主原料として少量の赤肉をひき肉に
  しつなぎ肉とし、調味量、香辛料をくわえ比較的大型のケーシングに充填します。
整理、細切り
脱色、塩浸
  配合標準は肉重量10kgに対し、270−300g、硝石10−20g,亜硝酸ソーダ
  1−2g空気に触れないようビニールなどで覆う、空気の酸化による変退色防止。
  塩漬期間は普通3−5度Cで3−5日間ぐらい。冷蔵温度が高ければ熟成が早く、
  変質の促進となり、低温にすぎれば発色不十分と言う結果をまねきます。豚脂も
  2%の食塩だけを加え冷蔵します。
配合、混和
  塩漬を終わった原料赤肉を所定の配合表によって量の多いものからミキサーにい
  れ、次につなぎ肉、調味香辛料、豚脂肪の順にいれます。豚脂肪は赤肉と異なり
  結着性がないので、赤肉の表面がややくずれ、つなぎ肉が十分に混和された時、
  よくほぐしながら平均に散布するようにしましょう。