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塩浸け
塩浸けには、乾塩浸けと塩浸液がありますが、私は、乾塩浸けで行っています。ま
ずは塩浸剤を配合します。好みにより異なりますが、配合標準は肉重量10kgに対
し、食塩350g、砂糖120g、硝石20g、亜硝酸ソーダ1g(又は硝石と亜硝酸ソー
ダを混合してある硝素なら10g)。硝素は発色剤として使っています。
上記の塩浸剤を内面(赤身部)を重点にすり込んで下さい。特にバラ肉の肋骨を取
除いた部分は指先を使い十分に行って下さい。ビニール袋を用意しその中に最初
は内面を上にし次のは下にし内面が空気に触れないように重ね合せて下さい。ビ
ニール袋の口を折り曲げ、重石をする代わりに梱包用テープで巻締めて下さい。肉
汁が出てくる恐れがありますのでトレーを下にして冷蔵庫で2−4度で保管します。家庭用冷蔵庫の温度管理は難しく温度計をその近くに置き時々チェックいています。ビニール袋を使う事により冷蔵庫内での肉の乾燥を防ぎジューシーな味わいとなり
ます。塩浸け開始から2日位経つとその底に肉汁が溜まります。穴を開けてそれを
取除きます。いわゆる血絞りになります。その後も2日に一回ぐらいは袋を上下反
転し塩浸けが均一になるようにします。塩浸け期間は肉重量1kgについて5−7日
が標準とされていますが、私の場合最低で2週間、普通は4週間おこなっています。
塩抜き:次に塩浸けの終わった肉塊を冷流水で4−5時間水洗いし、異物を取除く
と同時に、肉塊の表層部の過剰な塩分を取除き均一な塩廻りにします。
断面  b
断面  a
ばら肉ブロック
b         a
豚枝肉断面
ばら肉
ロース肉
ベーコン
ロースハム
包装
薫煙の終えた肉類は生肉に比べその重量は25%前後減少します。余分な水分、
油分が落ちエキスだけが残った旨みのある肉加工品になっいます。
私達の作るハム、ベーコンには合成保存剤が入ってなく、又小分けした方が使い
勝手が良いため、それらを分割し真空パックで包装しています。真空パックにより
冷凍焼けの防止、保存期間がの延長などの効果があります。
冷蔵庫保管で約2ヶ月、冷凍保管で約6ヶ月保管可能です。
乾燥、薫煙
塊はハムを上部にベーコンを下部に肉塊が重ならないよ
う、又煙がスムーズに流れるように薫煙室に吊下げます。熱
源に火を入れ、まず30−40度Cで2−3時間乾燥を行い、
40−50度Cに室温を次第に上げながらさらに2−3時間乾
燥を続け肉表面が少し褐色がかり、又脂のてりが出てきた
ら乾燥完了です。乾燥が不十分だと、煙の付が悪くなります。
に薫煙に入りますが、薫煙材として、カシ、サクラ、ナラな
どの樹脂や刺激成分の少ない硬木ブロックを七輪の上に置
きそしてなべを逆さに薫煙材上にかぶせ、不完全燃焼させ
て煙を発生させます。薫煙は50−55度Cで好みより異なり
ますが、4−6時間行います。ハムは次の水煮に、ベーコン
はそのまま放置し自然に放冷させています。
水煮
ムは薫煙後、巻締め直しを行い、十
分な湯量の中で70−75度Cでその
直径、湯温により異なりますが、2−
3時間行います。ハムはそのままで食
べることが多く、水煮で雑菌処理をし
ます。
AS規格では肉中心温度が63度C
で30分以上です。終了後は冷水で急
冷後、外気温が低ければそのまま然
に放冷させます。
煮したあとの、湯を味わって下さい。
あれだけ多くの肉を煮込くだのにスープになっていません。木のやにの幕が完全
に保護し旨みをハム内部に残留してます。外気とも遮断され昔は保存食の加工と
して薫煙は大切なものでした。
整形
ずは、肉屋で材料を購入します。普通、肉
屋さんは豚の胴体を半分に切った、枝肉を仕
入れます。肋骨、脇軟骨、乳頭などを取除き、
背肉(ロース部)と脇腹肉(バラ部)に切り分け
て冷蔵庫に保管し、必要に応じスライス、小ブ
ロックにし店頭に置きます。店員に言って店の
冷蔵庫の肉を購入して下さい。
販のハム/ベーコンは調味料を使い、その
メーカー独自の味品質の均一化をしています
が、私達にはそのようなことが出来ないので、
肉の品質がそのまま製品の味を左右するので
良質の肉を選びましよう。
巻締め
ハムは巻締めをします。肉塊の水気を十分とってから、綿布(
さらし)を広げ肉塊の脂肪面を下にして内面を合せるように1
巻きします。両端を硬く締上げ、片方には吊下げ用の輪をつ
くります。中央部そして数分割して締め、円筒状になるように
します。
ース肉は芯部の太い方がよく長さはハム一
本当り20−25cm程度。バラ肉は背脂が少な
く、脂部にピンク色の肉が何層にも重なってい
るのがよいですが外観からは解りずらく手
に持って曲がりやすい肉が脂部の塊が
少ないようです。一枚4−5kg。冷凍/
解凍肉は使わないようにして下さい。
入量は、塩浸けする冷蔵庫の余裕、
薫煙具の大きさ、必要量で決めて下さい。
肉屋さんと親しくなるのも楽しみの一つ
です。
ース肉の整形はまず一本分の長さを決め
切ります。次に背脂が厚いと思われる場合、
1cm内外の均一した厚さに削ります。脂部が厚いと塩が浸透しずらく、熟成不足
で発色不良を起こすようです。そして出来るだけ円筒形になるように不必要な部分
を削ります。
ラ肉の整形はブロック肉を縦に10−15cm幅の短冊状に切り、そして脂部が厚
いと思われる場合は削り、変色、不良部等を取除きます。
ここでは原料肉の入手が簡単な豚の背肉(ロース部)を素材としたロースハム(LOI
NROLLED HAM)と豚の脇腹肉を素材としたベーコン(BACON)の作り方です。